院長からのアドバイス
百日咳
マスコミにも取り上げられている通り、百日咳にかかる子供たちが今年は多く見られます。実際、豊中市でも例年より多く発生しています。全国的に見ても百日咳発生報告が開始された
2018年以降、最多となっており10月時点ですでに昨年1年間の5倍の報告件数となっています。
百日咳にかかるとひどい咳が1日中出て、特に生後2か月未満のワクチン未接種児は重症化することが多く呼吸不全、無呼吸、脳症などの合併症を伴い死につながることもあります。
百日咳ワクチンは現在5種混合ワクチンに入っており定期接種として4回接種が行われています。しかし4回接種だけでは抗体が次第に減少し十分な予防効果がなくなってきます。日本小児科学会では小学校に入る前1年間と11歳から12歳の間の2回、3種混合ワクチン(百日咳、破傷風、ジフテリア)の追加接種を推奨しています。(日本では定期接種として認められていないので自費になります)
ただし3種混合ワクチンに含まれるジフテリアワクチンは年長になるにつれて接種部の腫脹や痛みが増す場合があります。海外では成人用3種混合ワクチンが使用されており、それはジフテリアのトキソイド量が少なめとなっていますが日本ではまだ認可されていません。
よって現行ではジフテリアトキソイドが少し多めの3種混合ワクチンを接種するしかありません。しかし百日咳にかかると自身は咳でつらい思いをし、万一身近な生後2か月未満のベビーに移してしまうと大変なことになります。ですから自費にはなりますが是非とも3種混合ワクチンの追加接種を受けましょう。

